売れる店頭の秘密｜接客販売における自己プロデュースの重要性

多くの人は売上を上げるために、トークや販売技術を磨く努力をします。

もちろん、それ自体はとても大事なことですが、実はそれ以上に重要なことがあるんです。



それが「自己プロデュース」です。



簡単に言うと「相手（お客様）に、いかに良い印象を与えることができるか」ということです。


実のところ、人は初対面の相手を判断するのに、0.3〜2秒しか要さないと言われています。

このわずかな時間で相手の第一印象が決まってしまいます。


ただ、日常で頻繁に会う人なら、いくら最初の第一印象が悪くても、その後の付き合いの中で挽回していくことは可能です。



ただ、店舗での初対面のお客様を相手にする対面販売の場合、そうはいきません。


お客様と販売員の間では、その一瞬の印象が全てで、その後で挽回する機会は訪れません。



そう。このわずか数秒間の印象で勝負は決まってしまうんです。



だから、磨き上げたトークを活かすためにも、まずは自己プロデュース（セルフプロデュース）に取り組むことが不可欠になります。

心理学では、有名な「メラビアンの法則」と言う法則があります。

これは初対面の人がどう言った要素が元で相手の第一印象を決定しているかというもので、その内容は「視覚的要素が５５％」、「聴覚的要素が３８％」、「そして言語的要素が７％」と言われています。


つまり、人が相手を判断するのに、視覚的要素（見た目）が一番大きい要素だと言うことです。


では、視覚的要素とは具体的にどんなモノがあるでしょう？

・体格
・姿勢
・服装
・髪型
・化粧
・顔の表情
・目線、目の動き
・動作
・環境（その場の感じ）

ざっくり考えても、相手を判断するのに、これくらいの項目があると思います。



次に、大きな要素となっているのは、聴覚的要素。

話している内容ではなく、話し方・・・耳で聞こえる印象ですね。


これも、具体的な要素としては、

・話し方
・話す速度
・声質
・声の大きさ
・話す時間の長さ

など、さまざまなチェックすべき項目があります。



ナント、この視覚的要素（５５％）と聴覚的要素（３８％）だけで９３％。


これからわかる通り、あなたが商品説明を始める前に、すでにお客様はあなたの印象を9割方固めている・・・

ほんの数秒間で、あなたはあなたの印象を決定づける情報を無意識に相手に渡しているということになるんですね。



これがわかっていないと本当に怖いです。



なぜなら、印象が悪くなる要素を改善しないまま接客していると、頑張れば頑張るほど、悪い印象が広がっていくからです。

そう。どんどん自分の印象が悪くなるのを拡張していくことになります。


厳しいことを言うと、この状態を放置してると、どれだけいい商品を揃えて広告にお金をかけても、お店は来店者数が一向に増えないという状態に陥ります。



お客様は不快な人からはモノを買いたくない。

これは原則ですからね。

また、視覚的要素と聴覚的要素以外にも第一印象を決定づけるものに嗅覚的要素というものもあります。

口臭や体臭、タバコの匂いなど相手に不快な思いをさせるものは、接客販売ではマイナスに働いてしまうので注意が必要です。



ただ、こう言った視覚的要素や聴覚的要素、嗅覚的要素を改善するにあたっては気をつけるべきポイントがあります。




それは、自己判断で解決しないということです。




自分の価値観で改善に取り組むと「これで大丈夫！」という判断に個人差が出てきます。

いくら自分で「身だしなみはこれでOK！」と思っていても、他人から見たら全然良くなっていないと感じることが往々にしてあるんですね。



実は、自己プロデュースの改善は、まず自分の好みや価値観を疑うことから始まります。

それは、あくまで判断基準は、自分ではなく、相手（お客様）にあるからです。



また、親しい身内の意見もあまり参考になりません。


例えば、「この化粧、どう？」と尋ねても、余程厳しい人でない限り、仲間や身内がそれを貶すような意見は言いません。

少々問題があっても、適当に「いいんじゃない？」とか言って誤魔化すのが関の山。

中々、正直な意見は言ってくれないんですね。



だから、その意見を真に受けても改善には至りません。



では、どうすればいいのか？

意見を聞くなら、できるだけプロに聞くのが良いと僕は薦めています。



身だしなみ一つとっても、しっかりしたブティックや美容室に在籍している人の意見を聞く方が圧倒的に参考になります。


意見を聞くのに、何も高いモノを買ったり、高額なサービスを受ける必要はありません。

ブティックならお店に行けば接客中に店員の意見をタダで聞くことはできますし、百貨店に行けばカウンター越しに無料サービスでお化粧の話を聞くこともできます。


たとえ無料でも、プロからだと目から鱗の情報が手に入りますし、自分の感性にないものを得ることができます。



自分のこれまでに無かった（埋もれていた）魅力を引き出してくれる・・・これがプロです。



何気ない意見があなたを何倍にも輝かせます。

それを得ることができるかどうか・・・これで、世界は大きく変わってきます。



面倒くさがっていたり、馴れ合いの中にいたりしても、成長を止めるだけで、人は進化することはありません。

でも、ほんの少しの手間と勇気と行動力があるだけで、人生は開けていきます。



「自己プロデュースを改善してみよう」と思う方は、この機会にぜひ一度プロの意見を聞きに足を運んでみることをおススメします。

また、自己プロデュースの改善で、誰でもお金をかけずに、一番簡単で即効果が出るカテゴリーに「顔の表情」があります。


ただ、意外にこれができていないという人（お店）が少なくありません。

正直、もったいないです。



笑顔。

言わずと知れたことですが、これは接客の基本中の基本です。



どれだけ見た目や話し方が良くても、笑顔がなければ全てが台無しになります。

また、逆に見た目や話し方がイマイチであっても、笑顔が良ければそれら全てをカバーすることも可能なんですね。



しかも、意識すれば誰でも、タダで、すぐに実践することができる。

こんなにコスパのいい自己表現はありません。



さらに、素敵な笑顔を身につけることができたなら、接客販売の世界では一生食っていけます。



以前読んだ斎藤一人さんの本にも「商売人は笑顔だけ磨けばいい」ということが書かれてありました。

これには非常に感銘を受けました。


そこには「役者さんはいろんな表情で感情を表現しなければ食っていけない。だから大変だけど、商売人に必要なのは笑顔だけ。一つだけでいい。それさえ磨けないなら、商売人失格だ」と記されていたんですね。


また、斎藤一人さんの事務所ではブスッとしてるとクビになるそうです。

お客様に対しても失礼だし、周りの人にも迷惑だということなんですね。


ブスっとしているだけで商売では大罪なんだと。



いや〜、ホントその通りだと思います。



売場でそんな顔されたらみんな迷惑ですもんね。


個人個人はもちろん気をつけなきゃいけないけど、同時にそういう顔が出ないような職場環境（空気）を作るマネジメントも大事。

ブスッとした表情が出る環境を作ってしまっている管理職の人も同様に責任は重いですからね。


上に立つ人も気をつけたいところです。

いかがでしたでしょうか？

話し方や見た目のカテゴリーを細かく一つひとつ解説していると、いくら時間があっても足りないので、ここでは割愛しますが、こうやってみると「自己プロデュース」も中々奥深いものであることがわかると思います。



接客販売には実は最初に大きな壁があって、その壁を越えることができなければ良い結果を得ることはできない。

ただ、その最初の大きな壁を越えると、その後の接客はスムーズに進む為、良い結果につながる確率はグンと上がるということです。


何しろ、自己プロデュースを徹底的に磨き上げただけでトップ販売員に君臨している人もいるくらいですからね。



今ではSNSが盛んですが、SNSでも印象操作を駆使して、たくさんの人が売り上げを上げています。

でも、SNSは画面上での（架空の）情報だけなので、発信している人の本当のところまではわからなかったりします。


それに比べて、リアルに会う対面販売はモロに自分から発信している情報が相手に伝わるので、逃げ場はありません。

まさに待ったなしの真剣勝負になるんですね。


だから、接客販売員はこの最初にくる大きな壁を乗り越える術を身につける術を持つことが、この世界で生き残っていくためには必須条件となります。


ただ、自己プロデュース力が身につくと、販売にとどまらず、全ての人間関係において優位に働くため、人生が開けるスピードが格段にワープします。

それだけ見返りも大きいので、軽視することなく、真剣に取り組んでもらいたいなと思います。



きっと、あなたにとって大きな財産になりますよ。


あなたが楽しく販売でき、人生がより良い方向に開くように、心より祈っています。

一緒に頑張りましょう！