試食販売で売るためには、いくつかのテクニックがあります。
その中から今回は五感を刺激するアプローチについて書いてみたいと思います。
試食販売の最大の武器である五感へのアプローチ
世の中にはいろんな販売方法がありますが、試食販売はその中で唯一五感全てを刺激することができる販売方法です。
ご存知の通り、食品の販売でない限り味覚のプレゼンテーションをすることはできません。
よって、試食販売は展開の仕方次第で視覚、聴覚、嗅覚、触覚、味覚の全てを使ってお客様にアプローチすることができます。
そして、五感全てを使ったアプローチは人だかりをつくることにも効果的。
さらに、インパクトも強烈なため記憶にも残りやすいだけでなく、衝動的な購買にも繋がりやすくなります。
つまり、これらを意図的に使いこなせるようになると、集客力・販売力がアップし、圧倒的に優位になるため、必然的に売上も上がりやすくなります。
そのため、試食販売をする際には是非押さえておきたいところです。
試食販売における五感を刺激するアプローチ法

試食販売:聴覚プレゼンテーション
試食をしていただく上で、まず最初の課題は商品の販売場所までお客様に来ていただくことです。
いくら美味しい商品であっても、実際に味見してもらえなければそれは伝わりませんからね。
そのためには試食現場にお客様を集める必要があります。
そこで、効果的なのがこの聴覚によるプレゼンテーションです。
聴覚へのアプローチ方法は、
館内放送
販売員による呼び込み
音声プロモーション
などがあります。
どれも遠距離にいるお客様や通り過ごそうとするお客様へ「催しの存在」を知らしめるには、とても効果的です。
スーパーなどで試食販売をしていても、玄関口でない限り、販売場所の前を通られるお客様はせいぜい1/10くらいだと言われます。
このデータに沿って考えると、来店者が1,000名あっても、実質接客することができるのは100名くらいしかいないことになります。
しかも、その100名の中には、子供のように購入権限を持っていない人も含まれます。
さらに、その中には試食をされないお客様もおられます。
すると、実質に販売対象になる方はほんの一部になってしまいます。
そう考えると、試食してもらう人数をいかにして増やすかが成功への鍵を握っているのがわかるでしょう。
当たり前のことですが、試食販売を成功させたければ(商品を買ってもらいたければ)、まずは認知してもらうことです。
認知をしてわないと興味を持ってもらうこともできません。
ですから、何はともあれ初動として催しの存在を知ってもらうこと。
その場にお客様を集めることが重要です。
そこで販売員の呼び込みや館内放送、音声プロモーションが非常に効果的な役割を果たすことになります。
これからわかるように聴覚プレゼンテーションは、販売トークのように「何を話すのか(内容)」も大事ですが、それ以前に「催しの存在」を知らしめる重要な役割を持っています。
また、店舗の賑わい(活性化)を演出する上でも非常に効果的です。
店内の様子やお客様の流れなどを見て、臨機応変にうまく活用することをお勧めします。
*販売トークに関してはまた別の機会に書くことにします。興味のある方は是非読んでみてくださいね。
試食販売:嗅覚プレゼンテーション
さて、聴覚プレゼンテーション同様、嗅覚に対するアプローチも、遠距離にあるお客様へ認知や刺激を与える効果を持ちます。
たとえば、誰もがいい匂いがする焼肉店やパン屋さんなどに誘惑された経験は一度や二度はあるのではないでしょうか?
思わず「どこからこの匂いがするのか?」と確認をしてしまったりしますよね。
それほど、嗅覚は人を誘惑する力を持ち、食欲にも直結しています。
そのため、試食販売でもこれを使わない手はありません。
同じ商品の販売でも匂いを立たせる調理法で提供するのとしないのとでは、売場への集客力や試食数は全然違ってきます。
また、匂いを嗅ぐことで空腹を感じ、その上で試食を食べると美味しさは倍加します。
特に、昼食前や夕食前の時間帯だと試食確率はグンと上がります。
さらに、出来立ての美味しい状態で食べていただくにも効果的です。
そういう意味でも、嗅覚によるプレゼンテーションは試食販売の大きな武器になるでしょう。
遠距離のお客様を集めるにも、食欲を掻き立てる意味でも、嗅覚プレゼンテーションは試食販売に非常に優位に働く要因になるので、是非活用してみてください。
試食販売:視覚プレゼンテーション
販売現場に集まって来られたお客様に大きく影響を与える要因の一つが視覚に訴えるアプローチです。
陳列方法、売場づくり、パッケージデザイン、ライティング、POPなどはもちろんですが、それ以外にも売場の清潔度や試食品の盛り付け方、また販売員の身だしなみなども実は全て食欲や購買意欲に直結しています。
「綺麗」「かわいい」「かっこいい」など視覚的要素は、自分の憧れや自分らしさ、個人のブランド(アイデンティティー)形成に関連しているため、食品であっても現代人の購入決定要因に大きく影響しています。
上記に挙げた一つひとつを説明していては、とてもスペースが足りないので、それらはまた別の機会に書きたいと思いますが、「お客様が食べてみたくなる」「お客様が興味を持つ」ような演出を総合的に表現することが大事です。
視覚プレゼンテーションで販売員ができることには限りがあるかもしれませんが、「身だしなみ」「現場の清潔さ」「食欲の湧く演出」などは普段から心がけるようにしましょう。
試食台は綺麗に整理できているか?
試食サンプルの盛り付けは綺麗にできているか?
陳列が大きく乱れていないか?
明るい表情でお客様に接しているか?
身だしなみに清潔感があるか?
動きに機敏さがあるか?
こういったことは常に気を配るようにしてください。
これだけでも興味付けや試食数に大きく影響します。
また、こういったことを怠っていると商品のイメージダウンにもつながってしまいます。
販売員は立っているだけで自分自身でもお客様の潜在的な部分に影響を与える表現を放っています。
その自覚がないと大きな損失を出しているかも知れないので気をつけたいところです。
試食販売:触覚プレゼンテーション
試食販売で触覚的なアプローチと言われてもあまりピンと来ない人も少なくないかも知れません。
しかし、試食の上での「食感」は購入判断に大きく影響を与えます。
他にも「商品の手触り」などがあります。
商品を手にすることで初めてお客様はその重量から質やお得感を感じたり、温かさや冷たさ、柔らかさを感じることができます。
また、実際に商品を手に持つことで「所有感」を感じて、カゴに入れやすくなる確率も高くなります。
これからわかるようにお客様に商品を実際に持ってもらうアプローチは、販売では重要なテクニックになるんですね。
単に説明だけをするのではなく、同時に手に持ってもらう工夫をする。
そうすることで購入確率もグッと上がるので是非試してみてください。
試食販売における最大の効果を上げる味覚プレゼンテーション

最後に試食販売と言えば、やはり最大の効果を上げるのは味覚へのアプローチでしょう。
「百聞は一食にしかず」と言いましょうか、どれだけ上手い説明より実際に食べて感じてもらうことが何十倍も説得力があります。
試食をしてもらうというのは、人間の三大欲求の中である食欲に直接訴えることになるため、それが美味しければ購入に即繋がります。
それだけ強い力を持っているんですね。
だから、どれだけ多くの人に試食していただくかで売上は変わってきます。
これまで説明してきた聴覚、嗅覚、視覚、触覚へのアプローチは全てこの味覚という最大の武器をフルに活用するためのことと思ってください。
あえて公式で言うならば、(聴覚+嗅覚+視覚+触覚)✖️味覚=売上といった感じでしょうか。
試食をしてもらうために、「いかにして認知してもらい」「いかにして興味を持ってもらい」「いかにして集め」「いかにして食べていただくか」・・・このために知恵をしぼる。
これが試食販売を成功させる秘訣です。
試食販売一つの中にも商売のノウハウ全てが詰め込まれているワケですね。
いかがでしたか?
試食販売の売場(ブース)は一つの店舗を同じだと捉えて、いろんな知恵を出してみてください。
いかにすればそのお店を流行らせることができるか?
そのために五感全てに訴えるアプローチを試みてください。
そうすれば大繁盛の売場を作ることも難しくはないと思います。
トライ&エラーの先には明るい未来が待っていますよ。
一緒に頑張りましょう!