商売において安易な安売りは様々な弊害を生む要因になるということをこれまで書いてきました。
今回は、その中でも経営において致命的なことになりかねない人材育成に与える弊害について書いてみたいと思います。
安易な安売りは麻薬:思考力、創造力を奪う習慣

安易な安売りや値下げが習慣化されると人は「売るための方法」について考えなくなります。
「とりあえず、安くすればお客は来てくれる」
「安くすれば、売れ残りはなくなる」
「最悪、損はしない」・・・
確かに手っ取り早く目先の問題を解決できるので、値下げして売り捌くと一時的に気は楽になります。
しかし、それはあくまで一時的なもので、正当な利益を生まない上に、商品は育たないし、いいお客様もできないので、根本的な問題はどんどん深刻化していくということはこれまで書いてきた通りです。
また、そんな状況の中で一番怖いのは、従業員の思考が止まることです。
安易な安売りは麻薬:商売の面白みがわからなくなる

「どうやったら商品の価値が伝わるだろう?」「お客様が楽しんで買い物ができる方法とは?」「適正な利益を獲得するには?」そういった方法を探る思考が止まった状態で、何の目的もない目先の問題解決のために安易な値引きを繰り返していると従業員はそのうち考えなくなります。
手っ取り早く解決できた方が楽ですからね。
でも、これが癖になると大変です。
売れても利益はわずかしか残らないため、いつまで経っても環境も待遇も良くならない。
自分がやっていることも正当に評価されない。
客層も悪くなり、作業は単純作業に終始する・・・
これでは、商売の面白みもわかりませんし、達成感もありません。
当然、モチベーションも上がりませんし、下手をすると店内で足の引っ張り合いをする派閥ができたり、出るのは会社の愚痴ばかりになります。
こんな環境になると定着率は悪くなるばかりで、優れた従業員が生まれることはないでしょう。
安易な安売りは麻薬:人が育たない会社に発展性はない

企業とは「人を止める業」と書きます。
つまり、優秀な人材をどれだけ留めておくことが出来るかが健全な企業ということになります。
ということは、そう。
「企業の発展」はイコール「人の成長」なんです。
そういう面から見ても、考えのない安易な安売り(値下げ)はとても危険。
目先の問題に対して手っ取り早く楽に解決する方法に手を出す。
そして、それに甘え、常習化するようになると・・・気がつけばもうどうしようもなくなっている。
まさに「安易な安売り(値引き)は麻薬」と言われる所以ですね。
いかがでしょうか?
企業の財産と言われる人材。
この人材を腐らすのか、持てる力を目一杯引き出すことが出来るのかでは、大きな差ができます。
健全で強い企業を作るためにも、安易な安売り(値下げ)は控えるようにしてくださいね。
あなたの事業がこれからも大きく発展していくことを祈っています。
一緒に頑張りましょう!