2025年の参議院選挙も終わりましたね。
結果は与党が過半数を割り、国民民主党や参政党が大きく躍進。
今の政治に対する不信感が現れる結果になりました。
僕自身は心から応援したい党がなく、選ぶのに少し苦労しましたが、長らく先行きの見えない景気が続いているため、既存の体制からの変化を期待して投票に行ってきました。
ただ、普段販売に携わる仕事をしている立場から見る選挙活動というのは非常に面白く、側で見ていると勉強になることがたくさんあります。

まず、ここ数年はマスメディアよりもSNSの方が影響力を持つようになってきていること。
ビジネスでもそうですが、もうこれからの選挙はSNSは無視できなくなっていますね。
販売でも「誰から買うか」というのが今は非常に重要になっていて、信頼のおける友人・知人、尊敬する人、推しの人の発言(推薦投稿)が決定権を持ち、それが大きな流れを作っていきます。
昔はモノを買うには広告でしか判断できなかったので、オーバーな表現や吊り文句に誘われて購入することもありましたが、今はネットの普及で実際に使用している「個の生の声」がブログやSNSで確かめることができるので、そちらの情報の方が信頼があるわけです。
その発信が自分の好きな人、尊敬できる人ならば尚更強力なインパクトを生みますよね。
政治の世界では、これまで資料の改竄や問題をうやむやにしてきたことが不信感を抱かせたこと、利権による偏った報道などがあるように国民に受け取られていることもあり、余計にマスメディア離れが加速しているように思います。
インターネットがインフラ化され、スマホが広く普及され、SNSでいつでも誰でも簡単に発信できようになったので、この流れは戻ることはないでしょう。
そういう意味でも、これからは政治もビジネスもSNSの発信スキルの向上は必須になると思います。

また、街頭演説や出演番組での話し方も相手に与える印象が大きく変わる要因の一つです。
選挙なので政策内容は当然大事ですが、幅広い年齢層に向けて発信するのに熱量だけでなく、わかりやすい例を交えたり、理解しやすい言葉を選んだりするのは当たり前。
その上に滑舌や話すスピード、表情、抑揚、身振り手振りなど、相手に良い印象を与える話し方のスキルを持ち合わせていないと多くの人から支持を得ることはありません。
どれだけ良い政策があっても、どれだけ高学歴でも、話し方が下手だと「波を起こす」ことはできず、それらは役立たないものになってしまうんですね、
ビジネスでも人の上に立つ人や営業・販売に携わる人は、これらがあるのとないのとでは大きく成果は変わってきますから大事にしたいところです。
さらに、今回は参政党の「日本人ファースト」というキャッチコピーも国民の熱狂を生んだ大きな要素だと思います。
コピーの意味合いやそこから派生する問題は一旦横に置いておいて、大きな影響力やムーブメントを作るといった意味で考えると「日本人ファースト」というキャッチコピーは実に秀逸なものでした。
集団をまとめるには「仮想の敵」をつくればいいというと言われますが、「日本人ファースト」は今の外交における他国の言動、また経済進出や治安の乱れに対する外国人などに対する不満を「仮想の敵」にすることで大和魂に火をつけた結果が今回の盛り上がりを作ったといっても過言ではないかと思います。
聞きようによっては、争いを増長したり、偏見や差別につながりかねないことになるので決して問題がないとは言えませんが、現在の世界における日本の立場、政治に対する不透明な部分に不満を持つ人々を巻き込んだキャッチコピーの力には改めて驚かされました。
いくら知識があり、良いアイデアを持ち、内面が優れた人でも、表現力が乏しいとなかなか伝わりません。
これはビジネス面でも同じです。
自分をうまく表現することは、良い人間関係を築く基礎ですからね。
多くの人を巻き込んだり、ブームを作る上では尚更だと思います。
今回の参議院選挙を見て、僕も大変勉強になりました。
今後の参考にしていきたいと思います。
一緒に頑張りましょう!