接客販売研修はこれまでもいろんな形で企業様よりご依頼をいただいてきました。
全社合同での企業研修、オンラインによる知識やノウハウを学ぶ座学研修、店舗・売場での直接指導による研修、社内ロープレ大会での審査員などなど・・・
どれも形式も違えば、注意点もやり方も違うのですが、そんな中先日は珍しく個人の方からロープレ研修をお願いしたいとお問い合わせがありました。
何でも聞くところによると、接客販売検定試験の1級合格に向けて事前に色々整理しておきたいので、自分の接客をチェックしていただきたいとのこと。
「凄いなぁ〜、真面目な方だなぁ。意識高い系なのかな?」と思って聞いてみると、有名な某百貨店にお勤めの方で「お店の方から受講して合格してほしいと頼まれたので」とのことでした。
せっかく『店舗代表のモデル』として選ばれたし、試験に落ちたら申し訳ないとの気持ちから、何とか期待に応えたいとのことだったんですね。
接客販売検定試験は百貨店では結構有名な試験で、レディースファッション販売部門・メンズファッション販売部門・ギフト販売部門と3つの部門があり、それぞれで質の高い接客とお客様のニーズに的確に応える販売法を身につけるために設定された機関。
筆記試験とロープレ試験があり、その中でも1級はかなりの難関で合格者が出ない年もあるそうです;
今回はその試験をパスできるよう私たちなりに研修の中で気づいたことを色々とお伝えさせていただきました。


今回、弊社からはいつも企業研修やコンサルティングでお邪魔している私と吉本の2名で対応。
研修やコンサルティングでもどちらか一人だと「男の人には中々心を開きにくい」「女性同士だと本音が言える」「男の人の目線で厳しく指導してほしい」「女性に上から言われたくない」といったいろんな意見に対応することができないため、弊社ではできる限り講師も男女ペアで取り組みようにしています。

ということで、早速ロープレを初めてみたのですが、さすがにキャリアも知識もあり、百貨店で選ばれる方だけあって中々の出来映え。
見事に板についた接客でした^^
知らない人の前でロープレをするのは緊張もするし、普段通りのことができないことも多いのですが、お客様役をしていても気持ちの良い対応ができていました。
ただ、誰でも慣れてくると普段自分では気づかないことって色々出てくるんですね。
無意識の中にある目線の動きや言葉じりに出てくる感情の不安要素であったり、
変化に乏しい動きがお客様との間の空間に緊張感を生んでしまったり、接客の流れを止めてしまったり・・・
言われてみれば「なるほど」と思えることも、みんな自分では気づかないものなんですよね。
そういったこちらが気づいた部分を今回はお伝えさせていただきました。

接客販売というのは答えはひとつではありません。
カリスマ販売員のトークを真似すれば売れるのかといえば、そうとも限りません。
見た目さえ良ければ売れるのかと言えばそうとも言えないし、どんなやり方でもいいから無理やり売り込めばいいのかといえば、そうでもないんですね。
答えは、その人の数だけあるし、お客様の数だけあるし、売場や状況・環境の数だけある。
だから、自分なりの正解を見つける必要があります。
つまり接客販売というのは、的確に状況判断をした上で、自分に合った方法をチョイスして反応する。
そのスタイルを身につけるためのクリエイティブな作業になります。
だから、非常に奥が深いし、面白いんですね。
今回研修させていただいた方も非常に品があり人間レベルも高い方でしたが、それも普段接客販売を磨く中で身についたものだと思います。
久しぶりの個別研修でしたが、指導している私たちも非常に感じることが多く、勉強になった時間でした。
資格や試験というのは、ひとつの基準であって、それで人の価値や人生が決まるものではありません。
でも、それに対して努力するというのは尊いこと。
必ず、その努力が生きてくることはありますからね。
是非、彼女には接客販売検定試験を突破して、今後の人生に大いに役立てていってほしいなと思います。
きっかけや動機がどんなものでも一生懸命チャレンジするのは素晴らしいこと。
私たちもさらに仕事もプライベートも楽しんでいきたいと思います^^
一緒に頑張りましょう!